2月の聖句
2月の聖句
ローマの信徒への手紙 12章10節
「思いなさい」と言われると、本当はそう思っていないけれど「思いなさい」と言われているように感じる。この聖書が語っているのは建前として尊敬しなさいということなのだろうか。
「尊敬」と訳されるギリシア語は「評価」という意味である。そこから「価値」、「価格」などの意味が生まれるが、評価に相応しい価値を与えることが「尊敬」なのである。相応しい価値を与える評価とはどのような評価であろうか。我々人間同士の間での評価は相対的である。他者との比較によって与えられる価値は、比較する他者が変われば変化する。その価値は絶対的価値ではない。比較する相手によって変化するような価値は、揺れ動く価値である。しかし、聖書が言う「尊敬」とは絶対的価値を認めることから生まれる相応しい価値であり、神に造られた存在としての価値である。この価値はすべての人間に与えられている価値である。比較しようのない価値である。神がその人を造り給うたという価値である。こどもたちは神の絶対的価値によって評価されるべきである。
我々人間はさまざまな違いを持っている。その違いがその人らしい価値であると正しく認めることが神の前での価値である。神は一人ひとりに価値を付与して創造してくださった。同じ価値を持っている者は一人もいない。その人にしかない価値がそれぞれに与えられている。この価値を認めることが真実な意味での「尊敬」なのである。
我々のこどもたちにその子らしいいのちの輝きを認めることによって、我々大人もこどもたち一人ひとりを尊敬し、彼らから学ぶように生きることができる。
チャプレン 末竹十大