8月の聖句
8月の聖句
コロサイの信徒への手紙 2章19節
成長というものは、体の個々の肢体が大きくなることではない。体全体がうまく動くようになることである。こどもたちが小さいうちは、与えられた体をまだうまく動かすことができない。骨と骨を結び合わせている関節と靱帯がうまく機能して、体全体が与えられた力をより良く発揮するようになるまでには、時間がかかる。こどもたちの成長は体を認識し、体全体をより良く用いることができるようになることに現れる。さらにそこから、うまく機能するようになった体がおともだちの体とつながって、大きな体を形成することが成長の目的である。
今月の主題聖句の原文は「神の成長を成長する」となっている。「神が与える成長」、「神を根源として供給される成長」という意味である。神が与える成長が目指しているものは、個々の身体的な成長によって与えられた体や力を他者と共に用いることなのである。そのとき、体同士が組み合わされて大きな体が形成されることになる。名古屋ルーテル幼稚園の保育理念である「共生」はこのことを表している。こどもたちが年少さんから年長さんに進むにつれて、共生という成長が現れるように願い、支えていくことが我々の保育である。
自分だけの世界から一緒に生きる世界へと広がっていくことが、神がこどもたちに望んでおられることである。神の成長はそのために供給されていく。こどもたちが自分を生きるだけではなく、自分とつながっているおともだちと一緒に体を形作っていくことで、彼らの世界は広がり、より良く自分を生きることができるようになる。自分を生きるということは、自分に与えられている力を誰かのために差し出すことである。神に与えられた力を誰かのために用い、誰かと協力して何かを作っていくとき、こどもたちは相応しく自分を生きることができるであろう。
チャプレン 末竹十大