3月の保育主題
3月の保育主題
2020年度も残りわずか1ヶ月足らずとなりました。今年は初めてのことがいっぱいの変化の多い年でしたね。こどもたちは、どんな状況にあっても、与えられた環境の中で大きく成長する姿を私たちに示してくれました。毎日、友だちと一緒にあそび、関係を築く生活を通し、《豊かな心》が育まれていきますように、と願いつつ保育にあたって参りました。
1学期は、それまで当たり前だった《集まる》ということが難しくなり、それがこどもたちの育ちにとって、どんなに大切なことかを実感しました。人は生きる上で、人とのつながりが必要です。神さまから戴いているそれぞれの賜物を活かすにも、人との交わりがあってこそ輝きが増すのではないかと思います。
こどもたちが入園してから、この幼稚園を巣立っていくまでの数年の間にこの目には見えない《人とつながる力》をしっかり伸ばして、土台となる根っこを張り巡らしていって欲しいと思っています。根っこは土の中にあるから目には見えませんが、ここがしっかりしていれば、多少風が吹いても倒れる事はありません。たとえ見栄えのいい大輪の花を咲かせていても、根っこが細く小さければ、すぐに枯れてしまうでしょう。
幼児期に必要なこの土台は、たっぷり注がれる神さまからの恵みを柔らかな心で受け取る生活の中で培われていきます。毎日こどもたちの心がワクワク、ドキドキすること、時には怒りの感情もあるでしょう、そうした心が揺れ動く経験を繰り返し行うことがとても大切です。それを仲間たちと共有することで、自信が高まり自立へと繋がっていく…私たち大人は、こどもたち自らがそれを経験できるように見守ることが与えられた使命と考えます。
3月の生活も、その様におうちの方とそれぞれの育ちを支えていきたいと思います。緑さんたちの卒園を惜しむ声を耳にすることがあります。そんな声を聞くと、今年度もラストスパートだなぁ~と痛感します。残りの日々を共に大切に過ごしていきましょう。
副園長 前田朱美子