チャプレン通信 6月号
チャプレン通信 6月号
聖書には天地創造の物語が載っています。神様の霊が吹き込まれた人間の尊さを伝えています。男女の同じ価値も告げています。人類始祖がアダムとエバだという物語は、すべての人が同じ価値があると、そういっているのです。
しかし、いつしか私たちは、個性や男女や人種や言葉の違いで、「自分たちは特別だけど、あの人たちは別の人たち」と考えます。「聖書は選ばれた民族の宗教で、他民族や他宗教に厳しい」と考えることがありますが、上記のように、聖書の冒頭の物語は、実はそうではないのにです。
旧約聖書の祈りや讃美歌のような詩編の100 編3 節にあるこの言葉は、「主は私を造られた」のではなくて、「主は私たちを造られた」です。そして1 節は「全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ」と、全世界の人に呼びかけています。「この方が本当の神様だよ」と。
人との違いを気にしたり、仲間外れにしたり、そんな狭い心を持っていませんか? 「〇が一つであとはX。間違えたら恥ずかしい」そんな教育は、異質な人を仲間外れにする心を作ります。「服も人と違いすぎると恥ずかしい」と、季節の変わり目には、出かける前に窓越しにみんなの服をチェックしたりします。
私はブラジルで気持ちが自由になりました。クリスチャンになって自由になったと思っていましたが、まだまだの自分に気づきました。移民の国ブラジルは課題もありますが、多文化共生社 会。肌の色、宗教や文化、言葉も訛りがあっても誰とでも冗談を言って楽しくおしゃべり。服装もマイペース。 10 年の「外国人」生活で、いろんな国の人達とも仲良くなりました。共通の言葉は下手なポルトガル語でしたが、苦労が分かり合える仲間でした。帰国後、外国人の方々に日本語を教えたり生活支援もしています。世界の料理のフェスタをしたり。今日も4 か国の人と日本語講座。教えている つもりが教えられ、助けているつもりが助けられ、元気ももらっています。
日本人同士でも外国ルーツの方でも、みんな、違う個性や得手・不得手が違っても、それは不調和ではなく、バラエティーの豊かさです。出会う人やお友達の、そんな豊かさに気づき、褒め合って、学び合い。助け合って生きていきましょう。今月は、どんな新しい発見があるかな?