学校法人愛知ルーテル学院 名古屋ルーテル幼稚園

5月の聖句

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今月の

万物は言葉によって成った。

ヨハネによる福音書 1章3節


 ウイルスも言葉によって成った。ということかと思う。ウイルスの生きる場所がある。ウイルスにも生きる意味がある。この世に存在するすべてのものには、存在する意味がある。それが「万物は言葉によって成った」という言葉が語っていることである。

 万物とはすべてのものである。いのちがあろうとなかろうと、有機物であろうと無機物であろうとすべてのものが万物である。石ころにさえも意味がある。そこに存在しているということは神が意志をもって存在させているということである。人間はこれを理解できない。人間にとって、都合の悪いものは排除する。こうして、弱者は排除され、強い者が権力を奮う。

 排除の論理によって、我々は社会を作ってきた。社会から排除される者がいて、社会は守られている。社会の外で生きざるを得ない者たちを作りだしておいて、その人たちが駄目だから外で生きなければならないのだとうそぶく。こうして、我々の社会は排除によって守られてきた。

 これを社会と呼ぶのであれば、社会は強い者しか生きることを許されていない。弱いもの、邪魔なもの、余計なものがそこにいては都合が悪い。平穏に暮らしていたのに、突然やってきて社会を乱していく存在を疎ましく思う。地震も台風も自分たちの世界を破壊すると思う。それに対向して、技術は発展してきた。

 我々の世界は排除の世界である。それで良いと誰もが思う。自分が守られているならばそれで良いと。しかし、排除される側に自分も入るかもしれないとは誰も思わない。排除されて初めて、おかしいと思う。「万物は言葉によって成った」のに、おかしいではないかと思う。弱いとき、排除されているとき、我々は真実にこの言葉を聞くであろう。

チャプレン 末竹十大

年主題

さあ、漕ぎだそう 奏でよう